延岡市街地の南部に位置する標高251mの愛宕山(あたごやま)は、気軽にハイキングが楽しめる山です。
南京錠にメッセージを書いてモニュメントにつなぐスポットもあるため、出会いの聖地としても知られており、特に頂上付近にある展望台からの夜景は美しく定番のデートスポットになっています。
ここでは、愛宕山の登山やドライブに役立つ情報をご紹介します。延岡市に来たらぜひ行ってみて下さい。
延岡市の愛宕山展望台へのアクセス
愛宕山にある展望台の周辺には駐車場、トイレ、公園などが整備されており、その一帯を俗に愛宕山公園と呼んでいます。愛宕山観光のメインスポットゆえ、多くの方がここを目指します。
登山、ハイキング、ジョギングで登るには
愛宕山への登山ルートは複数あり、遊歩道が整備されているため昼間はジョギング、ウォーキングで訪れる市民が多いです。
メインルートは愛宕神社から登るルートで、車道を登ることもできますが、車道をショートカットする形で遊歩道と階段道のコースが整備されています。車道は車だけでなく、自転車で上り下りする方も使っています。
この信号を左折、左にパチンコ屋さん、右にはJAがあります。
県道16号の愛宕山入口の標識がある交差点から南に入り、突き当りの道を左へ行くと坂道が始まる手前に「愛宕山総合案内板」の地図が立てられています。
その坂道を進んで1つ目のカーブで右に曲がり、2つ目のカーブ(生目さん橋がある)から遊歩道が始まります。そこから約35分で展望台の駐車場に到着できます。
南延岡駅から県道16号の愛宕山入口の標識がある交差点までは、ほぼ高低差がなく徒歩で約25分のため、南延岡駅からたった1時間で愛宕山展望台の駐車場まで登れるという魅力も!
平地はいいから山登りだけ楽しみたいという方は、「愛宕山総合案内板」の坂道を進み1つ目のカーブを左に曲がると麓の無料駐車場があるので、そこへ車を止めて登山を楽しむと良いでしょう。
もう一つの登山ルートは、太郎兵衛狐の石段と呼ばれており、先ほどの麓の駐車場がある道をもう少し進んだところから始まる1054段の階段道です。ゴールは愛宕山ふれあい公園で、メインルートより距離が短い分、結構きつい勾配です。
このほか、東麓の伊達町、南麓の平原町・若葉町・片田町からの遊歩道もありますが、登山口や山の上に道標がなく、Googlemapなど各種地図サイトでも表示されない道のため初心者や登山口まで車で行きたい方には向いていません。地元民のお散歩コースになっています。
伊達町の登山口は南延岡駅すぐの住宅地の奥にあります。登山口には駐車場がありません。この登山口から人工林の急坂を上ると愛宕山展望台の駐車場へ繋がっています。
登山口:延岡市伊達町3丁目6009付近
平原町の登山口は住宅地の奥に位置し駐車場がありません。下記2か所からの登山道は途中で合流し、山頂と愛宕山展望台の間にある送電線の鉄塔付近へ繋がっています。
登山口:宮崎県延岡市平原町1丁目78−5付近
登山口:宮崎県延岡市平原町1丁目75−1付近
若葉町・片田町の登山口も住宅街の奥に位置し駐車場はありません。下記2か所からの登山道は途中で合流し、山頂付近の電波塔の下へ繋がっています。
登山口:宮崎県延岡市片田町3051付近
登山口:宮崎県延岡市若葉町1丁目2726付近
公共交通機関でアクセスするには
メインルートの登山口に近く利便性の良いバス停は、「愛宕町3丁目」です。
延岡駅や南延岡駅から愛宕町3丁目を通る宮崎交通のバスが複数路線運航し、本数が多いため非常に便利です。延岡駅、南延岡駅どちらから乗車しても「愛宕町3丁目」までの運賃は270円です。
タクシーを利用するという手も
車の場合は延岡駅から約20分、南延岡駅からは12分ほどで愛宕山展望台の駐車場へ到着します。自家用車がなくてもタクシーにお願いすれば行ってもらえますので、お急ぎで延岡観光をされる方にはいいかもしれません。
マイカーの場合は展望台 近くの駐車場へ
県道16号の愛宕山入口の標識がある交差点から南に入り、突き当りの道を左へ行くと坂道が始まる手前に「愛宕山総合案内板」の地図が立てられています。その坂道を進んで1つ目のカーブで右に曲がると、愛宕山へ登る道になっています。
山道を上ると大きな駐車場が現れ、駐車場にはトイレと自動販売機があります。そこから階段を上ると1分ほどで2階建ての円形展望台が建つ場所へ出ます。途中、休憩できる椅子があります。
展望台がある場所からさらに先へ進むと愛宕山ふれあい公園に出ます。駐車場から愛宕山ふれあい公園へ行く道は2通りあり、駐車場から展望台への階段ではないもう一方の道を歩くと、展望台を経由せず直接愛宕山ふれあい公園へ行くことができます。
愛宕山ふれあい公園にもトイレが設置されており、公園内には滑り台が複数ついている遊具があるので小さなお子様も楽しめます。
愛宕山にまつわる神話とモニュメント
愛宕山は、周辺の沖田・片田などに貝塚が多いことから、古代は海に突き出した半島で、元々笠江岬や笠沙山と呼ばれていました。
日本神話で、天照大神の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)は、葦原の中つ国を統治するため高天原から日向 高千穂峰に天降ったとされ、妻となる木花開耶姫(このはなのさくやひめ)とは笠江の御前で出会い結婚したという伝説が残っています。
高千穂からまっすぐに川を下って至る海辺の岬のある土地「吾田の長屋の笠沙の岬」に該当する場所は現在の延岡市で、笠沙山は海に突き出た岬であったと推定されています。
そのため愛宕山展望台には「笠沙御碕之碑」(かささのみさきのひ)という石碑や、神話にちなんだ瓊瓊杵尊と木花開耶姫のモニュメントが設置されており、出会いの聖地としてカップルの人気を集めています。
愛宕山で愛を誓うカップルは鍵を買って行こう
愛宕山展望台の右手には「出逢いの鐘」があり、恋人同士で鳴らすと幸せになると言われています。また、左手には南京錠を掛けて愛を誓うハート形の「錠かけモニュメント」があり、上には瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)と木花開耶姫(このはなのさくやひめ)の人形が立っています。
鍵かけモニュメントにかけるハート形の南京錠「LOVE LOCK」は、JR延岡駅に隣接する延岡観光物産ステーションにて1個910円で販売されていますので、何も鍵を持っていない場合は購入してから愛宕山へ向かいましょう。「LOVE LOCK」以外の鍵をかけても大丈夫です。
「LOVE LOCK」に名前や日付などのメッセージを書きたい場合は油性ペンを持参しましょう。南京錠を開けるための鍵は2つ付いているので、仲良く彼と彼女で1つずつ持つのも良し、開けることのない永遠の愛ということで思い切って鍵を捨ててしまうのも良し。数年後に、2人で改めて鍵を探しに行くのも楽しいですね。
また、愛宕山展望台は宮崎県が2008年に設定した「ひむかラブラブプロジェクト」という観光デートコースの1つでもあります。
延岡市の「愛宕山」で「出会う」、日向市の「クルスの海」で「願いが叶う」、美郷町の「恋人の丘」で「結ばれる」とされ、3ヶ所のスポットを巡ることで、恋愛成就を祈願するものです。せっかく愛宕山まで来たのなら、他の2か所も制覇してみて下さいね。
宮崎県内で唯一「日本夜景遺産」に認定された大パノラマ
愛宕山頂上付近にある愛宕山展望台は視界が約300度開けているため、延岡の市街地や日向灘が一望できる絶景で、天気が良いときは遠く四国まで見ることができます。この展望台には音声ガイドシステムが設置されていて、延岡の観光スポットの案内を聞くことができます。
延岡市は、旭化成の前身である日本窒素肥株式会社延岡工場の立地から企業城下町として発展してきた歴史があり、今も旭化成の煙突を見ることができます。
また、ここからの夜景は、宮崎県内で唯一「日本夜景遺産」に認定されているため、昼だけでなく夜もおススメのスポットです。延岡市街地、工場、住宅地などの明かりが煌めく美しい夜景に魅了されます。
さらに、地面には蓄光石を敷き詰めて天の川を再現した「光の小道」が整備されており、懐中電灯がなくても安心して歩くことができ幻想的な雰囲気です。
この展望台までの道は「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に選ばれています!
ただしあまり真夜中に行くと、市街地のお店や会社が閉まったり、住民が寝ると住宅地の明かりが少なくなるため、明るい夜景を見たい方は19~21時くらいがベストかもしれません。
愛宕山の山頂を目指すには
愛宕山の山頂(三角点)は展望台よりさらに上にあります。山頂には駐車場がないため、タクシーで近くまで向かって待っておいてもらうか、徒歩で登るしかありません。山頂には中継アンテナが多数設置されており、宮崎放送(MRT)、NHK総合・教育、テレビ宮崎(UMK)の基地局があります。
メインルートの遊歩道から徒歩で向かう場合、展望台方面と御手洗水神社(すいじんさん)との分岐点が現れたら、御手洗水神社へ向かいましょう。そこから愛宕神社奥院(ごってんさん)へ登る道があり、愛宕神社奥院の先にNTTドコモ愛宕基地局が建っています。
その敷地の外周を辿ると三角点に到着するのですが、雑草などが生い茂り進めない場合もあります。そんな場合は、いったん車道へ出て分岐を右に入り宮崎放送(MRT)のアンテナ施設へ向かいましょう。MRTの東側の雑木林を登っていくと森の中に三角点が現れます。
愛宕展望台の駐車場から車道を歩いて三角点まで徒歩で往復すると所要時間は約40分です。森林の中を通る遊歩道と違い、山の東側に沿って歩くので日向灘と麓の街並みを大パノラマを見ることができます。
林道愛宕山線の終点と書かれた標識がある三差路まで来たら右上に進みます。(この三差路から若葉町・片田町に下るコースが分岐しています。)進むとすぐに道が2つに分かれ、どちらからでも三角点に行けるのですが、左へ行くとMRT、右へ行くとNTTや愛宕神社奥院があります。歩きやすいほうから三角点を目指しましょう。
桜の名所、花火大会の見学場所としても人気
愛宕山はメインルートの登山道から展望台までの通りに900本ものソメイヨシノが咲くことから桜の名所としても有名です。3月から4月にかけてはお花見やピクニックで賑わいます。また、河津桜の密かな名所でもあり、展望台から河津桜を見下ろせますよ。
さらに、下山して県道16号の愛宕山入口の標識がある交差点まで戻り、そのまま北へ直進すると西小路桜並木が続きます。特に、延岡市恒富町3丁目にある春日大社の鳥居と桜の景色は風情があるので、並木道をドライブしながら鳥居をくぐってみてはいかがでしょうか。
夏には愛宕山の北側、大瀬川で花火を打ち上げる「まつりのべおか花火大会」が開催され、メインルートの登山道からは花火を間近に見ることができますよ。
愛宕山
住所:延岡市延岡愛宕町3丁目宕山